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台風19号で被災した方々へお見舞い申し上げます。

株式会社 仙台エアサイクル住建
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「設計と現場日誌」

台風19号で被災した方々へお見舞い申し上げます。

2019年10月19日

私たちは仙台市泉区で木の家を建てている工務店です。

先週襲来した台風19号による豪雨で宮城県内の様々なところで床下床上浸水、道路の冠水、法面の崩壊、土砂崩れと多数の被害が出ています。

被災された皆様にはたいへんなご苦労をなさっているでしょう。お見舞い申し上げます。。

幸いにして当社の所在している仙台市泉区では大規模な冠水被害は起こっていないようですが、七北田川近くなどで床下浸水などの被害が発生しています。
泉中央の将監トンネル付近では、擁壁ごと土砂崩れの被害もありました。
青葉区北根でも、斜面にある擁壁が崩れ落ちています。今日も本降りの雨が降り緩んだ地盤が心配です。

材料同士の取り合いからの雨漏り事例

台風が去った後、何件かOB客様から雨漏りのご相談電話を頂きました。

その一つが増築でホームエレベーターを設置したお家。開業医の先生のお住まいで、一階が病院二階がお住まいです。二階に奥様のご両親を引き取るためにホームエレベーターを設置しました。
現在は、お住まいを別のところに移されて、病院に併設したデイサービスセンターになっています。設置したエレベーターの天井から雨漏りです。

天井の点検口から屋根裏に潜ってみました。

当初、増築した部分の屋根裏を何度も確認したのですが、雨の侵入経路が今ひとつ分かりません。

ふと、その隣にある飾り煙突のなかをのぞいてみるとありました。侵入経路。

仕上げの外壁材(こちらの場合は乾式のタイル貼り)を施工する前に防水のために施工する透湿防風シートに穴が開いていました!

 

ここに屋根の部材(破風板)が当たっていて、長年の間にシートが劣化して穴が開いてしまったようです。よくよく見るとその真下にある天井断熱材に水たまり。材木を伝って増築した部分まで水が伝っている様子が分かりました。

よく言われるのが、天井に水が出てきた真上が雨漏りの原因箇所ではないと言うことです。天井に水が出てきても、屋根から雨が漏っていることはあまりなく、屋根と壁、窓など違う材料との取り合い部分が原因のことが多いです。

ここにも雨水が回ってきています。もう一つ気になったのがこの脇に飛び出た釘。
外壁を木下地(柱や間柱)などに留めつける釘ですが、外れています。この釘の周りにも水がしみこんできたような跡がついていました。

瓦屋根からの雨漏り事例

次は、リフォームで寝室の床張り換えと、断熱内窓を設置させていただいたお住まい。
瓦屋根ですが、天井の至る所にシミができ雨漏りしてきました。
こちらのお宅は今年の初めに、瓦屋根に暴れがあって隙間ができてしまっていたので瓦の所々をビスで固定していました。そのビスからの漏水も疑われます。

一階部分の漏れがひどいようで、屋根裏を調べるために一時的に天井を壊して確認することも考えました。が、二階の押入には運良く「点検口」がありました。

点検口を開けて二階の屋根裏をのぞくと、、、

 

一カ所だけではなく屋根裏全体の野地板に広範囲の水染み。

室内からは分からなかった天井部分にも雨がにじんでいます。

屋根の防水というのは表面に使われている屋根材(今回の場合は瓦)だけで機能を果たしているわけではありません。外壁も同様なのですが、二次防水と呼ばれるルーフィング材が屋根の下に敷いてあります。

(出典:石川商店様HPより)

普通の雨は勾配のある屋根材の裏に回ることはありませんが、台風のような防風に混じった雨の場合は、瓦の継ぎ目から逆流してきます。二次防水のルーフィングがその雨から防いでくれるのですがおそらく経年劣化のためルーフィング自体がもろくなってひょっとすると穴が開いてしまっているのかもしれません。

外壁面からの雨漏り事例

もう一軒は、リフォームで流し台を交換したお住まい。当社で工事をする以前に二階を増築していましたが、一階の外壁に面した内壁に水が出てきました。すぐ上に屋根がない壁面での雨漏りです。

雨漏りした壁の二階部分には、窓サッシがあります。おそらくなのですが窓と外壁の取り合い部分からの漏水だと思われます。

こうしたサッシ周りからの漏水を防ぐために、最近の新築住宅の工事では、窓周りも二次防水を考えて施工します。

※新築住宅での窓周り施工例

もしサッシの下枠から雨水が入ったとしてもその下のシートで受けて排水ができるよう、納まりを考えているのです。

既存住宅の場合はこうした根本的な改善はできないので、外壁とサッシの取り合い(黄色の丸)を防水処理(コーキング処理)することになります。

もう一つ考えられるのが、水切り部分(赤丸部分)からの漏水。

通常の雨であれば、水切りがあることによって外壁面に当たった雨は外壁の中に入ることなく地面までながれるのですが、風が強いと下の隙間から引き込まれてしまうことがあります。通常は水切りは一階二階外壁の中間に設置されますが、こちらのお住まいは平屋を増築して二階を上げたとのことでしたので二本あるようでした。

気候変動で台風の大型化が懸念される中、屋根壁の雨仕舞い(防水対策)は、新築時にも一層大切になって来そうです。

 

 

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